M5StickCでJJY標準電波の送信機を作る

目次
うちの電波時計は、部屋の中だと電波が届かず、いつまでたっても時刻が合わない。 電波時計を捨ててほかに買い替えるにも、記念品でもらったのでちょっと気になる。
そこで、インターネットから正確な時刻を取ってきて、時計のすぐそばで「時刻の電波」を出してあげる小さな装置をマイコン+電子工作で作った。時計はそのまま、何も改造しなくていい。
電波時計のしくみ
電波時計は、日本の標準電波 JJY を受信して時刻を合わせている。JJY は福島(40kHz)と九州(60kHz)の送信所から出ていて、1 秒ごとに電波を強くしたり弱くしたりするリズムで、「いまは何時何分か」をモールス信号のように伝えている。
鉄筋のマンションや窓から遠い部屋では、この電波が弱くて受信できないことがある。
作ったもの
M5StickC(手のひらサイズの小さなマイコン)に、コイル状に巻いた線(ループアンテナ)をつないだだけの装置。
- Wi-Fi でインターネットにつなぎ、正確な時刻を取ってくる(NTP)
- その時刻を JJY と同じ形の信号に変える
- アンテナから、時計に届くだけのごく弱い電波として出す
時計から見ると、本物の JJY を受信しているのと同じなので、ふだんどおり時刻を合わせてくれる。
材料
- M5StickC
- 1kΩ の抵抗
- 1μF のコンデンサ
- エナメル線(直径 10cm くらいの輪にして 10 回ほど巻く) ... 自分のはたまたま自宅にあったフェライトバー(aitendo junk)

M5StickC の端子から、抵抗とコンデンサを通してアンテナにつなぐだけ。はんだ付けも数か所で済む。
G26 ── 1kΩ ── 1μF ── ループアンテナ ── GND電波を出すので注意
電波は法律(電波法)で決まりがあり、免許なしで出せるのは「とても弱い電波」だけ。この装置はそれに収まるように、わざと弱くしてある。
- 出力を強くする改造はしない
- 時計のすぐそば(1m 以内)に置いて使う
使い方
電源を入れると、自動で Wi-Fi につないで時刻を合わせ、電波を出し始める。
- ふだんは深夜 1〜5 時だけ電波を出す。電波時計はたいてい夜中に自動で受信するので、それに合わせている
- いますぐ時計を合わせたいときは、正面のボタンを押すと 10 分間だけ電波を出す。時計の「強制受信」ボタンを押して待つと、数分で時刻が合う
- 横のボタンを長押しすると、東日本用(40kHz)と西日本用(60kHz)を切り替えられる
画面には、現在時刻、Wi-Fi の状態、いま電波を出しているかどうかを表示している。
工夫したところ
- ずれた時刻は出さない:インターネットから時刻を取れない状態が 1 日以上続いたら、電波を止める。間違った時刻を時計に覚えさせないため
- タイミングを正確に:JJY は 1 秒の区切りが大事なので、画面の表示などとは別に、電波の切り替え専用の処理を用意して優先的に動かしている
おわりに
電波が届かない部屋でも、電波時計がちゃんと合うようになった! 7年前のSEIKOの時計は受信しても、5分くらい進んでいたせいか、一回の受信で調整できず、間欠的に5分くらいかかった。
これからは、夜中に勝手に合ってくれるので、時計の時刻合わせを気にしなくてよくなった。