ゆるい空き室モニタをつくる2(RPi MQTT Broker編)

最終更新日

人感センサの情報をサーバで受取り、他のメディアに配信したり、別の場所で表示したりしたい。

前回は、センサの基本的な動作確認。

ゆるい空き室モニタをつくる1(M5StickC+PIR編)

2022.03.13

いよいよ、人感センサの検知データをWifi経由で、サーバに送信する。
ということで、protocolは、MQTTを使う。実装は、mosquitto。

なんでMQTT

ネットが、掲示版からSNSに変遷していったのと似てるかも。
publisher がインフルエンサーで、subscriber がフォロワー。

ただし、 生配信のみ 。フォロワーは24時間365日、がんばって張り付く必要がある。

技術的に説明すると、こんな感じ。

掲示版的なサービス

シンプルにありそうなのは、サーバ側で適当なAPIをつくって、センサであるクライアントが、そこに検知データPOSTする、HTTP Server構成だろう。
検知データは、サーバ側でCSVなり、sqliteなり、DBに保存すればよい。

SNS的なサービス

が、センサの数は増えてきたら?数千の単位だったら?
モニタ数もそうだが、用途によって見たい(収集した)情報が異なる画面が増えたら?

トラフィックが増えて、HTTPサーバ、およびDBがボトルネックになってしまう。
サーバを高性能なものにすれば、それなりに動くかもしれない。
が、もっといい方法があるのでは?

MQTT のモデル

ということで、開発されたのがMQTTのモデル。

赤い矢印が集まるbrokerが、いわゆるサーバにあたる。
が、このサーバは、自身でデータをもたない。publisherから来たデータは数分もすれば消える。

  • publisher
    とにかく検知したデータを、brockerに押しつける(publish)。
  • subscriber
    欲しいデータ範囲(topic)をbroker指定して、リアルタイムで受け取れるようにデータ待ちする。

このpublisher と subscriber をいい感じにサポートするのがbrokerの仕事。

MQTT のsetup

ここで最近手にいれたRPi4の出番。
メモリが2Gもあるので、MQTTサーバなんて余裕で動く!

install

$ sudo apt-get install mosquitto

次回からrebootで自動的に起動するように設定

$ sudo systemctl enable mosquitto

起動チェック

 $ systemctl status mosquitto
● mosquitto.service - Mosquitto MQTT Broker
     Loaded: loaded (/lib/systemd/system/mosquitto.service; enabled; vendor preset: enabled)
     Active: active (running) since Tue 2022-03-08 09:03:27 JST; 4 days ago
       Docs: man:mosquitto.conf(5)
             man:mosquitto(8)
   Main PID: 8406 (mosquitto)
      Tasks: 1 (limit: 3717)
        CPU: 3min 11.856s
     CGroup: /system.slice/mosquitto.service
             └─8406 /usr/sbin/mosquitto -c /etc/mosquitto/mosquitto.conf

Warning: journal has been rotated since unit was started, output may be incomplete.

broker のサービスIP設定

brokerは、defaultだとlocalhostのみアクセスできる。
他のマシン(private subnet)からアクセスできるように、listener の設定をする。

  • brokerのprivateIP 10.0.0.1
  • brokerのport 1883
  • 認証なしのアクセスOK

/etc/mosquitto/conf.d/listener.conf

listener 1883 10.0.0.1
allow_anonymous true

再起動

$ systemctl restart mosquitto

これでbroker はOK。

mosquitto client のinstall

テストのために、command line 版の mosquitto client をinstall

$ sudo apt-get install mosquitto-clients

これで、publisher と sunscriber のやり取りを確認できる。

subsriber では、 topic sensor/# で待ち受けるように実行する。

$  mosquitto_sub -v -h  {brokerのIP} -t 'sensor/#'

# は正規表現の * にあたり、 sensorsensor/room01 など先頭がsensor のtopic全てを待ち受ける指定。

-v option をつけることで、publisherからのデータ受信時に、 topic 情報も表示される。

この topic sensor 向けに、publisher として情報 {"hello": 1} 送信する。
brokerのIPを 10.0.0.1 とすると、

$ mosquitto_pub -h 10.0.0.1 -t sensor/room1  -m '{"hello": 1}'

subscriber の表示

$ mosquitto_sub -v -h 10.0.0.1 -t sensor/#
sensor/room1 {"hello": 1}

M5StickCをpublisherにする

上記のpublisherをM5StickC で実装する。

publisher の結果

command line で、M5StickCから、sensor 情報が来てるのを確認

$ mosquitto_sub -v -h 10.0.0.1 -t sensor/#
sensor/room1 {"status":true}
sensor/room1 {"status":false}
sensor/room1 {"status":false}

このままcommand line だと面白くないので、次回はNodeREDで可視化する。

ゆるい空き室モニタをつくる3(Node-RED編)

2022.03.13

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